| プラスチックとして建材用は量的には包装用に次ぐ第二の需要分野ですが、最近では省エネや廃棄物低減その他に関連した、対環境性を重んじた材料が注目されています。
そのような例をいくつかご紹介します。
住宅資材関連で省エネに関するものとしてはまず断熱材が挙げられます。対環境性や省エネが強く叫ばれる以前から、単に保温という意味で住宅には古くから断熱材が多量に使われてきました。従来はガラスウールやロックウール等が使われてきて、これらは不燃性でもありそれなりに利点はあるのですが、最近ではより断熱効果の高いプラスチック製のものが使われることが多くなっています。主なものとしては、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム(PSフォーム)、ポリエチレンフォーム(ポリエチフォーム)、等々の発泡プラスチックやPETボトル再生材を利用した綿状のポリエステル繊維等々です。なかでもウレタンフォームやPSフォームが多く用いられていますが、リサイクル使用や廃棄時環境負荷等の対環境性を考えるとポリエチフォームやPETボトル再生材が有利です。前者には日本ポリエチレン(株)の「ノバテックLD」を用いることができます。
またこれらの発泡プラスチックとは別に、遮熱フィルムという分野があります。住宅には、気密性や壁体内結露防止等を目的としてプラスチック製のシートを壁内や天井上に施工することがありますが、三菱樹脂(株)の防湿気密フィルム「インバリア」はPE製の高機能フィルムで、室内の保温効果も非常に大きいとされています。他に同社は住宅用の防湿・防水シートとして「アウトール」を上市していますが、最近新たに「アウトールAC」と称する遮熱・防湿・防水シートを開発上市しました。これは独自の特殊なアルミコーティング技術をほどこしたPE製シートで、住宅外壁からの輻射熱を反射し内壁温度の上昇を防止するエコ商品として積極展開していく予定です。
省エネの観点からは、断熱材が用いられない窓などの開口部が非常に重要で、冬季に室内から逃げる熱は窓からが48%、夏季に室内に侵入する外部の熱は窓からのものが71%にもなるとされています。最近では二重窓なども普及してきていますが、窓ガラスにプラスチックフィルムを貼ることでもそれらの防止、低減に役立ちます。これにより省エネのみならず、防犯、UVカット、プライバシー保護、装飾等の効果もあります。このようなフィルムは通常ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が用いられます。三菱樹脂(株)は「ダイアホイル」の商品名で種々のPETフィルムを上市していて、これは電気・電子部品分野や一般工業用をはじめとして非常に広範囲の用途をカバーすするものですが、窓貼り用の品種も用意されています。
上記のように、住宅では窓からの熱の出入が多いのですが、その窓枠が木からアルミに移ってから久しく国内では現在アルミサッシが主流となっています。ところがアルミニュウムは熱伝導度が高く、ここからの熱の出入が注目されています。従来からこのアルミをプラスチックに変える動きがありましたが、欧米ではすでにアルミ製よりプラスチック製の方が多くなっています。これは主としてポリ塩化ビニル(PVC)製で、このところ国内でもプラスチック製サッシが熱伝導の観点から重視されるようになってきて、「樹脂サッシ普及促進委員会」と「塩ビ工業会・環境協会(VEC)」が関連メーカーなどと一緒になってPVC製サッシの普及促進に取り組んでいます。このPVCには三菱化学(株)のPVC系コンパウンド「ビニカ」が非常に適しているわけですが、PVCの熱伝導率がアルミの1,000分の一であることに環境省も着目し、京都議定書公約のCO2削減の民生分野での切り札に樹脂サッシを位置づけました。2005年には購入者に対する助成制度を開始し、同省庁舎にも2006年PVC製樹脂サッシが装備されました。このようにPVC製サッシは断熱効果による省エネ効果が行政からも認知され、特に北海道や東北などの寒冷地での新築住宅の殆どがPVC製サッシを装備するようになっています。このところ地球温暖化問題が益々注目され、樹脂サッシにはそのほか、防音性にも優れ、結露防止にも役立つ等の利点もあり、今後PVC製サッシは更に普及していくとの見方もあります。
住宅の外壁も勿論熱の出入に大きな要因となります。外壁は住宅から雨、風を防ぐのが第一の役割で、壁そのものは木や土、あるいはコンクリートなどが多いのですが、その最外層に、美観と防雨、防風をも兼ねたいわゆるサイディング材というものが使われています。そのうちプラスチック製のものは専らPVC製で、三菱化学(株)のPVC系コンパウンド「ビニカ」及びPVC系熱可塑性エラストマーである「サンプレーン」、などが用いられています。これらは窯業系や金属系のサイディング材に比べ、軽量で施工も簡単、意匠性にも富み、塩害やNOX、SOXにも強く、凍結破壊もなく、リフォームコストが安く、メンテナンスフリーで、その上断熱性も高く省エネ効果があり対環境性の面でも有利である等々、非常に数多くの利点があり近年著しく成長しています。これらの利点が認められ欧米での普及率は50%以上になっていいますが、日本での普及率はまだ低く、今後が期待されています。 |