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自動車用燃料タンクの樹脂化
− 自動車軽量化の重要課題 − |
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自動車用燃料タンクの樹脂化については、第一に軽量化による省エネルギー、そしてタンクとしてのトータルコスト削減、耐蝕性向上、耐衝撃性、安全性、等に加えてデザインの自由度等々非常に数々の利点が考えられ、自動車産業において非常に重点のおかれているテーマです。
樹脂燃料タンクは、1960年代に欧州で採用され、その後北米でも採用が進み、欧米においては現在は70〜80%がプラスチック製のタンクになっています。国産車では、1967年にトヨタが欧州向け輸出車に採用したのが最初ですが、日本では、種々の理由で未だ金属性のものが多く、約30%がプラスチック製になっているに過ぎません。しかし、前記のような種々の利点のなかで最も大きな利点である軽量化については、対金属で20〜30%もの軽量化がはかれるとして、石油の価格上昇が顕著な昨今その重要性は益々大きくなっています。そして具体的に、樹脂製燃料タンク(Plastics Fuel Tank:PFT)を搭載するという計画がいくつかの自動車メーカーから進められており、ここ数年以内にはその比率は40%〜50%に達するとの予想があります。
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PFTは当初は高密度ポリエチレン(HDPE)単層でしたが、その後ガソリン透過性を防ぐバリヤー樹脂との多層化が進み、HDPEを主材として、バリヤー樹脂層と接着樹脂層からなる多層ブロー成形で作られています。バリア樹脂としては、当初ポリアミド(PA)が採用されましたが、ガソホール(アルコール混合ガソリン)に対してもバリヤー性が強く要求されはじめ、現在ではPAよりも優れたガソホールバリヤー性のあるエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)がバリヤー層としては主流となっています。EVOH多層PFTは、ブロー成形では必ずといっていいほど成形時に発生するバリ部の材料をリサイクル使用できる4種6層の成形機で生産されます。最外層に主材のHDPE、次の層にそのリサイクル材層、次いで接着層、バリヤー層、再び接着層、そして最内層(燃料タンク内部)に再び主材のHDPEという4種6層のPFTが普及しています。ここに用いられるHDPEは日本ポリエチレン(株)の「ノバテックHD」、そして接着樹脂としては同じく同社の「アドテックス」が有名で、これらは実績も高く市場をリードしています。ガソホールバリヤー性の良いEVOHとしては、日本合成化学工業(株)の「ソアノール」が有名です。
最近では、上記のようなブロー成形よりも更に高効率な成形法を求めて、射出成形や、シートからの熱成形法も検討されており、特許も各種出願されております。また、ハイブリッド車なども増加する方向であり、そうなると燃料タンクはより小型になることが予想され、射出成形や、新素材その他エンジニアリングプラスチックを使用することが利点になることも考えられ、燃料タンクの樹脂化は当分の間自動車産業での重要課題になると思われます。
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自動車用燃料タンクの樹脂化という意味では、上記のようにタンクそのものの樹脂化が勿論メインですが、タンクへの燃料の受け入れから排出、エンジンへの供給に至る種々の関連部品の樹脂化も大きなテーマとなっています。
例えば燃料ポンプモジュールの樹脂化があります。近年では燃料ポンプ系をモジュール化してタンク内に設置するようになってきており、そのモジュールは、ポンプ、フィルター、プレッシャーレギュレーター、計量ゲージなどを集約一体化したもので、全体の軽量化、コスト低減、システムの簡素化、燃料遺漏低減、等の利点が考えられます。これには耐ガソリン性、ガソリン浸漬下での耐久性・耐クリープ性、組み立て性などが要求され、ポリアセタール(POM)が良いとされていますが、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)が「ユピタール」として最適材料を提供しています。
そのほか、フィラーキャップもほとんどがプラスチック製となっていて、その上側は特殊なPAが、その内側にはPOMが使われています。前者には三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の「ノバミッド」が使われており、後者用には同社の「ユピタール」があります。
注入口からタンクまでのホースはフッソ系その他の耐油性ゴムが使われており、タンクから出る供給用チューブはPA12が最も一般的です。PAのナノコンポジットなどもガソリンやガソホールの透過防止に優れているため、新バリヤー材料として考えられています。
更に、燃料がタンクに過剰に充填されたときや車が転倒した時に、燃料漏れを防止するために取り付けられているカットオフバルブには、POM、PA、ポリブチレンテレフタレートなどが用いられますが、それぞれ三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の「ユピタール」、「ノバミッド」、「ノバデユラン」がよく知られています。
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| 以上のように、自動車用燃料タンクの樹脂化は非常に大きな意味があり、自動車産業において現在非常に重用な課題の一つとなっていますが、将来的には天然ガスバリヤー性のタンクや燃料電池用高圧水素ガスタンクなども樹脂化の検討対象となると考えられます。そこには多くのメリットがあり大きな市場が予想されると同時に高い技術水準も求められ、部品メーカーや樹脂メーカーにとっても魅力ある分野と考えられています。
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