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用途展開が進むフラーレン
 フラーレンは球状の炭素分子で、炭素60個がサッカーボールの模様状に結合した「C60」が代表的なものですが、その特異的な立体構造により優れた物性、機能の発現が期待されています。また、フラーレンにさまざまな官能基を付加する事が可能であり、半導体、複合材料、触媒、燃料電池、樹脂、医薬品等の様々な分野での新製品誕生が有望視されていますが、従来のフラーレン製造法である黒鉛蒸発の「アーク法」ではコストが高く、用途開発進展の制約にもなっていました。
 フロンティアカーボン株式会社では、ベンゼンなどの炭化水素を燃やす「燃焼法」技術で世界で初めて量産化に成功し、従来の約10分の1にあたる低価格で供給出来るようになったことにより、具体的な用途開発が加速しています。

難燃・防火等の効果を付与出来る建築・土木資材
 三菱化学産資株式会社では、フラーレンをごく少量を樹脂に混入したり、金属表面に塗布したりすることで、意匠性・環境規制等に影響を与えることなく、難燃・防火・耐火・断熱等の効果を付与出来る建築・土木資材を開発し、サンプル供給を開始しています。

化粧品の有効成分(皮膚がん転移抑制効果)などへの利用
 三菱商事の子会社でライフサイエンス分野の用途開発に取り組んでいる「ビタミンC60バイオリサーチ」株式会社が開発した水溶性フラーレンには、皮膚がんの転移抑制効果があることが広島県立大との共同研究で確認されており、今後、化粧品の有効成分などへの利用が期待されています。

新しいタイプの電気二重層キャパシタ用電極材料
 関西熱化学株式会社とフロンティアカーボン株式会社は、電極材として従来使われている活性炭ではなく、フラーレン類を使用して電気二重層キャパシタの性能を大幅に向上させる新しいタイプの電気二重層キャパシタ用電極材料を開発しています。両社が開発したキャパシタ用電極材料は、従来品に比べて、特殊な細孔構造を有していることが特徴です。このため、静電容量が大幅に向上し、キャパシタの高性能化、小型化、軽量化が期待出来ます。

・高性能燃料電池用フラーレン電解質膜
 三菱商事の子会社でフラーレンの用途開発における燃料電池分野での研究開発に取り組んでいる「プロトンC60パワー」株式会社は、フラーレンを電解質膜に使ったメタノール型燃料電池を試作しています。従来のフッ素樹脂系電解質膜に比べ、フラーレンの電解質膜はメタノール漏れを抑えられるほか、水素イオンが電解質膜内をより多く移動する事が出来、燃料電池の性能向上に一役買う事が期待されています。