樹脂解説
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一般的名称:ポリアセタール
略記号:POM
英語名:polyacetal (polyoxymethylene)
化学式:
化学式
結晶/非晶性:結晶性(Tm:ホモポリマー;175 ℃ 、コポリマー;165℃)
供給形状:ペレット;無色、乳白色(自然色)
グループ内メーカー: 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
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(商品名) ユピタール®
商品詳細ページ
概要
ポリアセタールにはホルムアルデヒドのみで主鎖を構成しているホモポリマーとホルムアルデヒド以外の少量のコモノマーを共重合したコポリマーがある。融点はホモポリマーが175℃、コポリマーは165℃である。短期力学的性質や物理的耐熱性の荷重たわみ温度はホモポリマーの方が高い値を示す。クリープ特性や疲労強さのような性質にもコモノマーの添加の影響が現れる。さらに末端安定化処理法の方法が両者で異なるため、これらの差により成形時の熱分解挙動、熱劣化特性や耐熱水性、耐アルカリ性はコポリマーの方が優位にある。
特徴
1. 結晶化度が75〜85%と高い結晶性樹脂で結晶化速度も速く、成形品は不透明である。結晶化度が大きいほど成形収縮率は大きくなる。
2. Tgは-60℃であるため、実用使用温度ではゴム状態である。このため力学的性質の温度依存性が大きく、クリープを起こしやすい。
3. 熱劣化特性は安定剤処方により変化するが、コポリマーではULのレーティングは力学的性質(衝撃なし)100℃、電気的性質は110℃。
4. 結晶性のため耐有機溶剤性、耐油性、耐グリース性は良好である。芳香族炭化水素、ケトン類、エステル類、塩素系溶剤に浸漬すると若干の重量増がある。
5. 無機酸、有機酸には侵される。また、塩化亜鉛によって侵される。
6. 摩擦・摩耗特性にすぐれ、自己潤滑性があるが潤滑油、グリスなどを使用すると摩擦特性はさらに向上する。
7. 紫外線で劣化しやすいが、添加剤処方で実用レベルに改善できる。酸性雨の多い屋外では酸による劣化がある。
8. 水、アルコールの透過率は大きいが、有機溶剤、窒素の透過率は小さい。
9. 酸素指数が15%であるため、実用的には難燃剤添加による自己消火性の付与はできない。
10. 結晶性であるため、成形収縮率は厚み2〜3 mmで約2%である。
主な用途
1. 電気・電子機器分野:
[AV機器] 各種機器(VTRデッキ、DATデッキ、各種カセットプレーヤー)駆動部メカ部品、CDチェンジャ/CDマガジン
2. 自動車分野:
[外板・外装] ワイパーモータシステムギア、レギュレータハンドル、ドアハンドル。
[シャーシ廻り] アクセルペダル、シートチェンジレバー、シフトレバー、ワイヤスロットル。
[電装品] コンビネーションスイッチ、ミニモータ部品、スピードメーター各種部品、排ガス制御部品。
[エンジン・ミッション廻り] ガソリンタンクモジュール、燃料タンクフランジ、フューエルポンプ、各種バルブ、パイプホルダー、ヒーターファン
3. 家電等:
食器洗い乾燥機操作用ハンドルユニット部品、スピーカーグリル、扇風機ネックピース、電子レンジ部品、洗濯槽攪拌用プロペラ、湯沸かしポット部品
4. OA機器分野:
キートップ、スイッチ部品、プリンタ・複写機のギア、ICカードリーダー、マイクロプリンタ部品、FDDコレット、フロッピーディスクシャッターなど
5. 日用品:
自転車部品、玩具ギア、ジッパー、バックルなど
6. 住宅関連部品:
カーテンフック、アルミサッシ固定板、トイレ周辺機器部品、メーター部品、ブラインド部品、ガスホースジョイント、トイレットペーパーホルダーなど
7. その他分野:
[精密・産業機器] 輸送機部品(ローラー、減速機構、チェーンなど)、空圧継手、時計部品、ポンプ部品、カメラ機能部品、ホイストスイッチ部品など
市場動向
日本におけるポリアセタールの2007年の国内生産量は、14.5万トンで対前年比1%増あった。用途分野別需要構成は、自動車・輸送機器(55%)、電気・電子機器(32%)、機械製品(6%)、その他(7%)と推定される。最近では自動車分野の占める割合が増えている。2000年頃まではAV機器のメカニカル部品のエンドユーザーがコスト低減のため中国などのアジア地区へ生産拠点を移転したことで国内需要は減少を続けていた。しかし、その後は自動車関連の用途開発が進み、採用が増加したため、国内需要も増加基調となっている。なお、POMは世界的にみても日本を含めたアジア地区のシェアが最も大きな汎用エンプラである。